お久しぶりです、DOTTの運営代表の工藤です。こうして文章で残しておくのは一体いつぶりだか、1年以上は経過しているのは間違いないでしょう。ご挨拶はそこらで、早速本題に参ります。
後頭部等のいわゆる『特殊部位』と呼ばれるタトゥー・刺青は、あまり一般的でないことと裏腹に、コアなタトゥーファンに人気が高いことで知られています。
ふだん自身のタトゥーを紹介することは滅多にありませんが、せっかくですので痛みや感覚のルポルタージュ、デザインやタトゥーイングについての感想を文章に残してみたいと思います。
ConTTents
後頭部のタトゥーについて
後頭部のタトゥーの特徴
表現が適切かどうかは分かりませんが、もし腕や脚のタトゥーを『ライトユーザー向け』と定義するならば、後頭部のタトゥーは『上級者向け』と言えるかもしれません。理由を下記に列挙してみます。
- 施術前の剃毛がとてつもなく大変
- 痛みがかなり強い
- 彫ってしまうと隠しにくい
- 受け入れてくれるタトゥースタジオを探す必要性
- デザインを考えるのが難しい
1〜3の理由は想像がつくと思いますので、4から解説。
受け入れてくれるスタジオを探す必要性
日本に数多く存在するタトゥースタジオですが、首から上の施術を断っているタトゥースタジオさんがおおよそ半数以上だと思います。(体感値)
今回は東京都世田谷区の《DETROIT DIESEL TATTOO WORKS》、オーナー兼タトゥーアーティストのENさんにお願いしましたが、ENさんも『普段は首や後頭部のタトゥーを断ることが多い。』と仰っていました。今さら隠せないほどタトゥーが入っている場合や、仕事柄明らかに支障をきたさない場合…等に例外として対応するとのことです。
あなたの行きたいタトゥースタジオが『—首から上の施術に対応しているか。』を確認し、そうでない場合は探す必要が生じる…というの4つ目のハードルです。
デザインを考えるのが難しい
5つ目の理由として、個人的には「デザインを考えるのが難しい」も挙げられると思っています。というより『頭部の施術やデザインに慣れた彫師さんを探すのが難しい』に近いかもしれません。
海外では後頭部のタトゥーデザインとして『ブラックワーク/ジオメトリック/トライバル/トラディショナル』等が好まれていますが、これらを得意とする、また専門として活動するタトゥーアーティストさんが日本に少ないのも事実です。
だからこそ、格好いいんじゃん(?)
逆に言うと、後頭部のタトゥーは人選とデザインをしっかりして、準備と痛みにさえ耐えてしまえば、『誰もあまりやっていなくて、どんな服着てても見えて、格好いいデザインが彫りやすい』…そんな可能性に満ち溢れた、めちゃくちゃ”おいしい”部位なのです。マグロで言うところのカマトロです。
後頭部のタトゥー、彫ってみた。
長い前置きは終わり、後頭部にタトゥーを入れた行程を記していきたいと思います。
行程1:髪の毛を剃る
タトゥーを彫ったことのある方はご存知だと思いますが、殆どのタトゥーは剃毛から始まり、施術前にタトゥースタジオでササッとやってもらいます。しかし後頭部のタトゥーに関しては紛れもなく『どの部位よりも剃毛が面倒』です。
『前日に美容院に行ってきたから〜!』なんてレベルでは決してありません。基本的には『当日に理容院にいって、剃刀で0mmに剃ってもらう』。ほぼこの選択肢に限られるでしょう。
普段はオシャンな美容院を選択してしまうナンパな私は、10年以上ぶりに理容院に行き、剃刀でツルツルに剃ってもらいました。
行程2:下書き(ステンシル)
その後は通常のタトゥーイング行程ですが、後頭部のタトゥーは他の部位に比べて凹凸が激しく、綺麗にステンシル(転写)が貼りにくい部位です。そのため今回はステンシルで中心と大まかな部分をとり、その後はフリーハンドでの下書きになりました。
行程3:タトゥーイング
タトゥーイングは通常通りラインを引いてから塗りを行う、1時間の4セッション…合計4時間前後のタトゥーイングにて終了しました。率直な感想として、痛みと不快感が凄いです。
かつてDOTTの記事で公開した、私が入っている部位で感じた痛みランキングに加筆する形で、他の部位との比較ではここに収まりました。
耐えられない程の痛み
後頭部・みぞおち・肘(外側)
耐えれるが強い痛み
首(後部)・頭皮・手首(内側)・肘(内側)
他の場所と平均的な痛み
胸・腕(内側)・腰・背中(中心側)・足首
余裕で耐えられる痛み
腕(外側)・背中(外側)
後頭部のタトゥー、めちゃくちゃ痛いです。
施術を頑張って下さった彫師さんに申し訳ないのですが、耳の周りが特に痛みが激しく…それはもう『拷問かな?』というくらい。
体勢的に呼吸はしづらい、頭蓋骨に響く振動が不快、痛みが激しい…と、三拍子揃ったかなりキツい場所でした。
※参考までに、自分は今までタトゥーイングで『痛い!』とは死んでも口に出したことないくらい、我慢強いほうではあります。
行程4:タトゥーの完成
最初の方はもう、諦めようかと思いましたよ。施術後2時間予約していたホテルに帰って寝て、中途半端な状態で新幹線に乗って帰ろうかと思いましたよ。
それでも忙しい中なんとか時間を割いて下さった彫師のENさんの優しさと、「タトゥーのメディアをやってるんだ!」という謎のプライド(笑)が何とかやる気を繋ぎ、当日中に完成まで持っていくことが出来ました。現在はアフターケアに勤しんでいる途中ですが、髪が生えてきて非常に格好良くなってきました。
当日彫って下さったENさんをはじめ、撮影にご協力して下さったKyoheiさん、1日を通してお付き合い下さりありがとうございました。と、お二人が活動してらっしゃる《Detroit Diesel Tattoo Works》の情報をこちらに載せておきます。
スタジオ情報
Detroit Diesel Tattoo Works
〒154-0003 東京都世田谷区野沢2丁目33−15 野沢233
+815010327659
https://www.instagram.com/en_ddtw/
まとめ
今回は久しぶりに、ゆるくタトゥーのルポルタージュをご紹介してみました。皆さんも良かったら入れてみてはいかがでしょうか。
それでは、良いタトゥーライフを!