街中で、服屋さんで、バーや居酒屋、ライブハウスで。
様々なシーンでタトゥーを目にすることが、増えてきたように感じられます。
タトゥーは一生消えないものとして認知されていますが、その1つ1つに持ち主の確固たる想いが込められています。
もし話しかけられるのであれば、そのタトゥーにはどんな想いが込められているのか、またどんな人柄で、どんなお仕事をしているのか聞いてみたいものですよね。
「YOUR TATTOO」は、タトゥーの持ち主の人柄や人生を「タトゥーを通して知ってみる」。
そんなDOTTの連載企画です。
では、お二方の自己紹介をお願い致します。
S「僕が藤武翔吏(以下:S)で、職業は運送業です。」
N「藤武なつこ(以下:N)、職業は自営業です。年齢は二人とも同い年で 24歳です。」
おお〜素敵ですね。ご結婚はどういった経緯で?
N「カナダの道端というか、『HOTBOX』っていう…ヘッドショップみたいな?
喫煙具とか扱っているお店で出会って、そこからですね。」
あ〜!ボングとかが売ってるような?
N「ですね!で、日本に帰ってから結婚して、今は出産のために新潟に住んでいます。」
藤武さん、ありがとうございます!
ではまず翔吏さんから、ファーストタトゥーについてお聞かせ頂けますか?
S「タトゥーを入れたいって思ったのは…いつだろ。
ずっと小さい頃から洋楽が好きで。当時中学1.2年くらいの時はラッパーのLil Wayneとか。
彼は顔にもタトゥーが入っているんですが、Lil Wayneを見て漠然と「いつかタトゥーを入れてみたいな〜」って思ったのが、タトゥーに興味を持ったきっかけですかね。」
S「で、ファーストタトゥーが右腕のレタリングタトゥーです。
中2の夏くらいに当時つるんでいた先輩の、紹介してくれた友人が彫り師を目指している人だって。
練習台も兼ねて、このタトゥーは先輩に入れもらいました。」
N「なんで『JAPANESE』なの?」
S「なんでなんだろうね。特に意味なくってノリで。
外人に見せたら「Funny Tattoo!」って爆笑された(笑)」
あはは(笑)その他は?
S「次のタトゥーが、中途半端に終わってる左腕のコレです。
最初は和彫りを入れようと思ったんですけど、なぜか途中で終わっちゃって。いつかカバーアップしようかなって思ってます。」
S「次が、右腕のマントを被ったスカルのタトゥーですかね。
と、彫ってもらった同じ人に、「アメリカントラディショナルで蛇を入れたい。」ってオーダーで、あとはお任せ。
蛇のタトゥーは、ここ、『S』って書いてあるんですよ、名前の翔吏からとって、”S”です。」
ほほ〜。ありがとうございます。
S「で、一番最後が胸にある中指を立てたタトゥーで、これはまた別のアーティストさんが彫ってくれたタトゥーです。
胸のタトゥーは鹿児島の『LIFE STYLE』ってハードコアバンドのジャケットが、中指を立ててるヤツで。めちゃくちゃそのバンドが好きだったので、これを入れてもらいました。
あとは鹿児島なんで、このマークが…『薩摩十字』っていうんですよね。
江戸時代の鹿児島、薩摩藩として昔から使われてるマークです。
さらに鹿児島といえばで、噴火した『桜島』がここにちっちゃくあって。地元とそのバンドに対してのリスペクトですね。」
ありがとうございます。ちなみにコレは…?
S「この指のタトゥーは…中学の頃に自分で入れたんで、俺的には消したいです、これもノリなので。
なんか、「タトゥー入れたいな〜」って思って、自分でどうやって入れられるのか調べて。
で、家にあった習字セットの墨汁と、ライターで炙ったまち針で彫って(笑)
いや〜、でも全然気に入ってないですね。」
そうですか…!ちなみに中学校的には大丈夫なんですか?
S「まず僕、中学行ってなかったんですよ。やりたいことやって、ずっと遊んでましたね(笑)
どのタトゥーも殆どノリですよね、全然考えてなかったです。」
ありがとうございます。
では、なつこさんのファーストタトゥーも聞かせていただけますか??
N「ファーストタトゥーは顔にほくろを自分で入れたのが…中学生の時ですね(笑)」
ええ、自分で顔にいれたんですか?すごい!
N「そう(笑)バーレスクダンサーのディタ・フォン・ティーが好きで、その人がタトゥーをほくろでいれてて「あ、ほくろ欲しいな。」って思って、習字セットの………」
ちょっと、お二人とも!(笑)
N「あはは(笑)だけどその時は「ほくろ」なので、タトゥー入れたって感覚はなくて。
みんな周りに入れててた地元の人らは和彫りとか入れてて、あんまり「和彫りを入れたい」とは思ってなくて。」
では、興味を持ったのはどうして?
N「海外のアーティストが好きなんですけど、タトゥーの入っている人とかをみて「かわいいな…。」って漠然と思って、18になったらタトゥーを入れようとは思っていました。」
N「それから、初めてのタトゥーは『Supreme』のアラビア語のパーカーを見て、「これ、入れよう!」って思ってタイで入れました。」
これは何が書いてあるんですか?
N「アラビア語で『栄光』って意味で。
最初は正直ビジュアルで入れたんですけど、後から『栄光』って知って、「確かに私『栄光』好きだ」って思って(笑)」
栄光いいですよね(笑)
N「あはは(笑)そう、栄光いいなって。」
N「次の年カナダで仲良くなった女性の、全身にトラディショナルタトゥーが入ってたのを見て「かっこいい〜!」って更にタトゥーが好きになって、その女性とカナダで一番大きなタトゥーコンベンションに行ったり。
その後日に、レタリングタトゥーを入れました。
これは、母が使っていたエルメスの香水の名前で『ナイルの庭』って書いてあります。
匂いもめっちゃ好きなんですけど、言葉が好きで。『ナイルの庭』っていう(笑)」
ああ〜。エデンの園みたいな?(笑)
N「そう!「ナイルの庭?きれ〜〜〜〜!!」みたいな(笑)
『ナイルの庭』って聞くだけで心がトキめくし、匂いも好きで母も使ってますし、入れようかなって。
名前も知らない彫り師さんに彫ってもらって、「いぇ〜〜い!」みたいな。
その後に彼(翔吏さん)に報告したら、「え?名前も知らないの?」って言われて。」
S「僕は覚えてない…んですよね(笑)」
N「覚えてないでしょ、言ってたのに(笑)19歳くらいの時ですね。」
他にも入れられているタトゥーはありますか?
N「あとは、太ももに布袋尊が、ボングを持ってるやつです。
これはカナダの『THE SMOKERS CLUB』っていう、レーベルみたいな。好きなラッパーのツアーのフライヤーで。」
これですね?
N「ああ〜!!それですそれです!
最初見た時、「うわっ!何これ!神様がボング持って、超イイ顔してるじゃん!」って(笑)」
あはは(笑)ありがとうございます。
ではいくつかご質問させて下さい。
まず、タトゥーの入っていて困ったことはありますか?
S「う〜ん、僕は…温泉好きなんですよ。
鹿児島にめっちゃ温泉あって、温泉が身近にある生活をしてて、よく行ってたんですけど。
タトゥーいれてから行きたい大浴場に行けなくなりましたね。」
あとは今の仕事が、運送業で一般のお客さんで直接やりとりしたりするので、夏とかに半袖になれないのがキツいですね。」
温泉に行けなくなったのと、仕事でちょっと暑い思いをされている…って感じですかね。
N「私は…基本的には困ったことないですね。
あ、でも出産の時とか、下は何も着てない状態で産むんで、先生とか看護師さんとか「これ、何!!?」って言われるのがちょっと面倒…ってくらい(笑)」
説明するんですか?ボング持った…って?
N「それはないです(笑)(笑)
あとは子供がいるので、そこはちょっと気にしますね。他の親御さんとか、先生とかには隠して見えないようにしてます。」
他にも、タトゥーを入れられて後悔をされたことってありますか?
N「私は完全にコレ(布袋尊)ですね。本当ノリで入れたので、たまに「それボングだよね!?」って聞かれたりして困ったことはあったので、ボングとか喫煙具は入れない方がいいと思います。日本に分については。」
S「僕は…両腕共ですかね。やっぱ若気の至りで。
こんな、半袖を着たら思いきり見えるようなところに入れちゃってるので、これ…ちょっと後悔してますね。
今だったら一本の腕使ってアメリカントラディショナルをチョンチョンって何個も入れたかったですね。」
これからご家族と教育団体と、関わりあう機会って増えてきますよね。
「子育て×タトゥー」について、一親御さんとしてどう思われますか?
S「もちろん家庭によるとは思いますけど…例えば、子供の友達がウチに来て、二人が半袖だったとするじゃないですか。
その子が家に帰って「あそこのお父さんお母さん、いっぱいタトゥー入ってたよ。」って親御さんに伝えたら、ほとんどの方が「関わらない方がいいよ。」って風になるのかな〜」って。」
N「逆に子供がいない時は全く気にしなかったんですけど、社会と関わるようになってから気にしますよね。
最近とか、子供を遊ばせる施設に行った時に若いご夫婦がいて、旦那さんの方がガッツリ和彫りで、フツーに半袖を着てたのを見て、凄いなって思いましたね。
私だったら「隠して…」ってなるなって思います。」
S「そうだね、20歳くらいだったはず。」
N「う〜ん。なんでなんでしょうね。私も子供いるんですけど、タトゥーは場によって隠した方がいい…というのはあると思います。」
ちなみにお子さんが「タトゥーを入れたい」って言い出したらどうします?
N「私は賛成かな。」
S「俺は賛成するけど…女の子なので「和彫りは入れるな。」ですね(笑)
和彫りというか「ゴリゴリのやつは入れない方がいいんじゃない?」って感じですね。」
N「デザインだよね。」
S「うん、デザインだね。
女の子で和彫り入れてるの…俺はダメっていうか、自分の子には和彫りは入れて欲しくない。
それ以外だったら何でも。」
洋彫りとは少し異質というか、和彫りの何とでもならない部分も多少ありますよね。
では、タトゥーを入れようか迷われている方へ、一言アドバイスをいただけますか?
N「タトゥーを入れる決断をする人と、タトゥーを入れる決断ができない人の違いを考えて。
一番の大きな違いは、その人が「失敗を良しと出来るか。」だと思っていて。
いくら考えても、自分の身体に入ってみない限り分からないと思うんですよね。将来的なことは予測もできないし。
だから入れる前に「失敗を恐れない」こと。
タトゥーなんて、失敗ばっか考えていたら入れれないものなので、そこが入れる人との違いかなと思います。」
S「僕は、「後悔しないように考えて入れた方がいいよ」って言おうかなって思ったんですけど、後悔しないように考えて入れても、人の考え方って変わるじゃないですか。
当時はちゃんと考えてても、考え方が変わって後悔をする…ってのもあるので、なんだろ。
その時に入れたいものを入れればいいんじゃないですかね。僕的には。」
最後に何でも、一言いただけますか?
S「俺は…新潟でサーフィンしてるので、サーファー仲間募集してます。
新潟で見かけたら、声かけてください(笑)」
N「小さい二人の子供を育てていて、正直、今は自分の時間をつくるのさえ容易ではないです。そんな中でも、やりたい事や自分のスタイルは絶対に諦めたくない。
ちなみに…今月久しぶりにタトゥーを入れてきます。Do Tattoo! 楽しみです。」
※「YOUR TATTOO」では、インタビューを受けて頂ける方を募集しています。
氏名、年齢、お住まい、ご職業、自身のタトゥーのことを簡単に明記の上、こちらまでお問い合わせ下さい。
洋彫り・和彫り、タトゥーの数や種類は問いません。
お気軽にお問い合わせ下さい。