先日はDOTTにて「ブラックライトで光るタトゥー?クールなUVタトゥー10選!」という記事を公開し、見て頂いた方中にはもいるだろう。
今回はUVタトゥーの安全性や、インクに含まれる成分について徹底解説する。
この記事を見て頂いて、既に彫り師の方や、これから彫り師になる方のUVタトゥーに対しての正しい知識や見解を身につける力になれたらと思う。
勿論これからUVタトゥーをいれようと思っている方も、自分の身は自分で守るという意味合いも含め是非ご参考にして欲しい。
ConTTents
UVタトゥーとは?
ブラックライトで光るタトゥー
UVタトゥーとはブラックライトを当てると光るタトゥーのことを指し、「ブラックライトタトゥー」等とも言われる。
その特性柄、クラブやライブハウスによく行く方などに非常に好まれている傾向があり、他のタトゥーには出せない魅力を持っているため、気になる方は前の記事を見て欲しい。
ブラックライトで光るタトゥー?クールなUVタトゥー10選!
ライブハウスやクラブ等を出入りし、一度はオシャレなタトゥーを羨ましく思ったことはあるだろう。 そんな昨今のタトゥー業界に、「暗闇で光るタトゥー」たるものが存在するのはご存じだろうか。 今回は暗闇でブラックライトに反応して光るタトゥー、クールなUVタトゥーについてご紹介する。
原理
UVタトゥーには「ブラックライトに反応する特殊なインク」を用いてタトゥーを入れることで、ブラックライトの下で蛍光色を発する仕組みだ。
ではこの特殊なインクというのは実際にどのような成分で構成されているのだろうか。じっくり解説していこう。
UVタトゥーのインク
成分
通常、タトゥーインクは液体と顔料で構成されている。液体は「精製水」と「グリセリン」で構成され、「顔料」が色を発する色素になる。
しかし今回ご紹介するUVタトゥーのインクは、液体こそ同じだが、この顔料がまるで違う。
UVタトゥーインク(青白)
一般的なUVタトゥーとはこの色を指す。この場合顔料は含まれず、ブラックライトの下で青白い蛍光色を発するのが特徴だ。
しかし通常時は色を持たないため、タトゥーを入れて1年~1年半程で、入っているかどうかも通常時はほとんど見えなくなる。
UVタトゥーインク(カラー)
UVタトゥーのカラーの場合は、基本的に通常のタトゥーインクの顔料が含まれる。
プレーン?のUVタトゥーインクにプラスで顔料(通常のインク)ということだ。
光る成分は?
実際に調べてもなかなか情報が出てこなかったため、実際に販売されているUVタトゥーインクのMSDSを見て私なりの推論をご説明する。
※MSDSについてはこちら
Bloodline UV tattoo ink
そして今回ご紹介するのは「Blacklight Invisible」というインクにした。
これは「Skin Candy」というメーカーが販売している有名なUVタトゥーインクの「Blood line」というラインの一つだ。
では実際にSkin Candy社が公開しているMSDSを見ながら解説をしていこう。
MSDS
2つ目のセクションに成分の記載がある。ここには
Distilled Water: C.A.S. #7789-20-0
Propylene Glycol: C.A.S. #57-55-6
Witch Hazel: C.A.S. #68916-39-2
CAS #39277-28-6
CAS #91-44-1
と、成分が全て記載している。上からご説明しよう。
1つ目はDistilled Waterは精製水。2つ目のPropylene Glycolはアルコールの一種だ。3つ目のWitch Hazelはマンサクのエキスである。
この辺りはどれも通常のタトゥーインクに含まれる成分なので割愛する。
気になる方は他の記事「タトゥーインクに金属が含まれる?インクの成分と危険性」を是非見て欲しい。
肝心な4つ目と5つ目、ようやく発見したUVタトゥーインクの発光の正体である。
メラミン樹脂
4つ目、「CAS #39277-28-6」はメラミン樹脂(メラミン-ホルムアルデヒド樹脂)である。
メラミン樹脂は子供用の食器等に使われたりするため安全であると言える。
ホルムアルデヒドが製造工程で関わっているが、残存しない限り危険性は少ないとされている。
クマリン
5つ目「CAS #91-44-1」はクマリン(7-ジエチルアミノ-4-メチルクマリン)である。
クマリンは桜の葉などに含まれる成分で、ブラックライトを当てると蛍光色を発することで知られている。
毒素の一つだが、桜餅など食用として用いられていることも多く、危険性は少ないとされている。
考察
ここで当然、メラミン樹脂とクマリンがUVタトゥーの蛍光に関係しているのではないか、という仮定が生まれた。
さらに詳しいことを調べてみると、例えば印刷用蛍光インキや蛍光塗料などは、「メラミン‐ホルムアルデヒド樹脂と蛍光性を持つ染料等から製造される」という一文のある論文を発見したため、この仮定は確信に変わった。
念のため、他のUVタトゥーのインクも調べてみたが全てこれらの材料が含まれていたので、これらが蛍光の正体だと言って間違いないだろう。
UVタトゥーインクの危険性
ではここで気になるのが、「通常のタトゥーインクと比べ、その危険性はどうなのか?」というところだ。
私は科学者ではないため、これらの物質が具体的にどのような影響を人体に及ぼすか詳しいところまでは分からないため、報告の上がっている範囲でご説明させていただく。
まず通常のタトゥーインクとは違い「世界標準の安全性についての試験はくぐっていない」とされており、世界的にも認可はされていない。
よって通常のタトゥーインクに比べ、リスクは高い」と断言していいだろう。
症状の報告としては皮膚発疹や水疱、腫れ、痛み等があげられる。また日焼けで変色、黄変したりしたケースも報告が上がっている。
しかしこういった症状は通常のタトゥーインクでも報告が上がっている程度の事であり、MSDSには発ガン性や可燃性は無いと記載されていた。
つまりは「通常のタトゥーインクより皮膚疾患などの可能性は高いが、重篤な病気や症状を招くことはない」といった解釈が妥当であろう。
まとめ
いかがだっただろうか。
今回DOTTでは、日本では殆ど浸透していない「UVタトゥーのインクや危険性」についてご説明した。
再度になるが私は科学者ではないため、この意見やまとめに一切の保証は行っていないが、参考程度にして頂ければと思う。
これを見てアーティストの方々や、これからタトゥーを入れる人に、少しでも色々な可能性を見出してもらえば幸いである。
では、良いタトゥーライフを!