2017.10.11 / Tattoo

日本人ラッパーKOHH-全身のタトゥー|意味・思想やデザイン

あなたは「KOHH」という日本人ラッパーはご存知だろうか。

胸にぶっ刺さる直接的な歌詞、独特のお洒落なファッション、そして何より全身に刻まれたタトゥーの数々。

空前のラップブームの昨今、今や若者に大人気のラッパーの一人である。今回はそんなKOHHのタトゥーと、タトゥーに刻まれた思想について詳しくご紹介していく。

KOHHとは

経歴

KOHHは東京都の北区王子在住、現在27歳の日本人ラッパー。

2014年にデビュー以来、独自の音楽性や、彼ならではの直接的なリリック、またファッショナブルな風貌から人気を博し、2016年には「SPACE SHOWER MUSIC AWARDS」の「BEST HIP HOP ARTIST」を受賞。

今では世界的な人気も非常に高く、まさに「世界を股にかけるラッパー」として一世を風靡している。

ファッション

KOHHの若者からの支持の理由の一つ、ファッションについて。

KOHHのファッションはいつも周りの2.3歩先を進んでいる。その証拠にKOHHが着たブランド、服装は若者の間で流行るのだ。絵に描いたようだムーヴメントである。

曲中で好きなファッションについて多く歌っているので、是非また聴いてみて欲しい。

好きなブランド

私が見てきた中では、Yohji Yamamoto、Y-3、AdidasやNikeなどスポーツ系のブランドをよく着ているが、GucciやVersace、Raf Simonsといったハイブランド系も着用している。

AdidasとNikeについては「Adidas & Nike」という曲を作るくらいで、「どれだけ好きなんだ…?」と少し思ってしまう。
10代は壮絶な貧乏生活をしていたと明かすKOHHだからこそ、今見た目にかけるお金を惜しまない気持ちがあるのかもしれない。

全身に刻んだタトゥー

そして何より注目していただきたいのはこの、全身に刻まれたタトゥー。指先からもはや首、顔に至るまでタトゥーに埋め尽くされている。

首のモナリザ

KOHHのタトゥーが語られる上で必ずとも言っていい程でててくるのが、この首に描かれたモナリザだ。

これはかの有名なレオナルドダヴィンチが描いたモナリザとは違い、「フランスのマルセルデュシャンという芸術家が書いたモナリザ」である。

マルセルデュシャンのモナリザは、割愛するがざっくり説明すると「昔の傑作に対しての若い世代の反抗」を表現した作品だと言われている。

手の甲

左手には「マッドサイエンティスト(狂気の科学者)」と称されるニコラテスラの肖像。ドキュメンタリーを見てそのぶっ飛び具合に衝撃を受けたから入れたそうだ。

右手には打ち出の小鎚。「自分の右手が打ち出の小鎚になる」となんともユニークな発想からいれたそう。

両腕・胸・腹

右腕には「Kohh’s son」と書かれてる。そもそもKOHHの名前の由来は、父の名である「黄 達雄(こう たつお)」からとっているわけなんだが、そのまま黄の息子という意味だ。
また少し切れているが下腹部に描かれた「EAZY」の下には「YellowT2O」と書かれていが、これも父の名から彫られたものである。

左腕には薔薇。
KOHHは首にも薔薇のタトゥーがあることから、薔薇が好きなのだと分かる。

また胸には合掌と「生」の文字。苦い貧乏生活に耐え抜いたことや、曲中でも語られていることから、その生に対しての執着より入れたものだろう。

額のレタリングタトゥー

額に描かれたレタリングのタトゥーに描かれているのは「Mutt 1990」。話せば長くなるがこれもマルセルデュシャンの「泉」という作品内に描かれた「Mutt 1917」からとったものだ。

レタリングタトゥーについては、下記記事を御覧いただきたい。

タトゥーに対して

ラッパーになる前は彫り師になりたかったと名言しているKOHH。それ程タトゥーに対して熱量を持っているようだが…。こちらも紹介していく。

タトゥーを入れる理由

和彫りのような大きなデザインでは無く、小さ目のタトゥーをいくつも入れているKOHHがタトゥーを入れている理由。

以前インタビューで、「ファッション以外の理由は何か?」を尋ねられた際には「何ですかね。」と言っていた。しかし同時に、「衝撃を受けたものとか、思い入れの強いものを入れている」とも述べていた。

彼の衝撃的な楽曲「タトゥー入れたい」では「みんな適当でもいいんだ」「人生は遊び」「外見より中身」と歌っていたり、自らのライブ中にタトゥーをいれることから、KOHHがタトゥーに対して何の抵抗も持っていないことがよく分かる。

親や友人が口を酸っぱくしていう、「刺青を入れたら後悔するから!」「マトモなところに就職できなくなるから!」なんて考えは全く見受けられない。良い意味で適当なのだ。

彫ったスタジオ

調べても情報はあまり出てこなかったが、胸の合唱と下腹の「Yellow t20」は東京都板橋区にある「Van Tattoo Studio」というところで入れたようだ。リンク

まとめ

いかがだっただろうか。読んで分かったとは思うが、彼がタトゥーを入れていることに特別な理由なんてものは存在しない。ただ周りがこうだから、こう思われるからという考えがないため、当然のように芸術としてタトゥーを入れているのだ。

私もこの考えには非常に賛成である。タトゥーを彫ることに理由なんて必要ない。好きな絵画を買うことに何の理由も必要ないのと同じようにだ。
それはまるでKOHHの言葉を借りると、「何が良くて何がダメとか、誰にも決める権利なんてないから」ということに帰納する。

では、良いタトゥーライフを!

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