街中で、服屋さんで、バーや居酒屋、ライブハウスで。
様々なシーンでタトゥーを目にすることが、増えてきたように感じられます。
タトゥーは一生消えないものとして認知されていますが、その1つ1つに持ち主の確固たる想いが込められています。
もし話しかけられるのであれば、そのタトゥーにはどんな想いが込められているのか、またどんな人柄で、どんなお仕事をしているのか聞いてみたいものですよね。
「YOUR TATTOO」は、タトゥーの持ち主の人柄や人生を「タトゥーを通して知ってみる」。
そんなDOTTの連載企画です。
では、宜しくお願い致します。
宜しくお願いします。
ではお名前とご年齢を教えて頂けますか?
名前は由佳です。年齢は31歳です。
ありがとうございます。お住いはどちらですか?
出身が埼玉で、今は千葉に住んでいます。
ご職業も教えていただけますか?
アパレル系の倉庫で勤務しています。
倉庫作業なんですね!
お仕事はタトゥー、大丈夫なんですか?
ああもう、全然(笑)見えてても大丈夫です。
珍しいですね!ありがとうございます。
ではタトゥーについて、お聞かせ下さい。
まず、ファーストタトゥーはどちらですか?
ファーストタトゥーは右腕の龍ですね。
おお!和彫りですね!
本当のファーストタトゥーはこの下にあるんですけど、完全にカバーアップしたような感じで。
へえ〜!ちなみにいつ頃にどちらで?
これは18歳の頃ですね。
最初のタトゥーは、お世話になっていた美容師の方が、夜は彫り物もされているとのことだったのでお願いしました。
その後ちょっと「デザイン的になんか違うかも?」って思ってきてからカバーアップを決めて。
カバーアップは千葉の彫なかさんに彫ってもらいました。
なるほど!
初めに、タトゥーを入れようと思ったきっかけとかはありますか?
物心がつく前くらいには、刺青を入れている方が周りにいるような環境に生まれて(笑)
実家が建設関係なので、職人さんとかで刺青入っている人って多いじゃないですか。
確かに、建設関係の方は多いですね。
あと、一番目と三番目と兄がどちらも刺青・タトゥーが入っていたので、刺青に対するハードルとかはかなり他の人に比べて下がっていたとは思います。
では、何か漠然とかっこいいなというか、憧れを抱いていて?
そうですね。「綺麗だな〜」というのが最初の印象ですね。
元々絵を描くのが好きで、そこに繋がっていったというか。
自分で描いた作品を、身体に残せたら面白いな〜って思って興味を抱きました。
え!では、タトゥーの下絵とかはご自身で描かれているんですか?
というよりは、ラフ画を自分で描いて「こんなんにしようかな〜」ってイメージを膨らませてから、彫師さんにそれを伝えてアレンジしてもらっている感じです。
なるほど、ありがとうございます!
では、他のタトゥーについてもお聞かせ下さい。その後に入れられたタトゥーはどちらですか?その次に入れたのは、この右腕のタトゥーです。
最初に「蓮と蝶」を彫なかさんのところで入れて、その後にStroker TattooのChihiroさんという方に「蜘蛛と糸」を足して頂いた感じです。
とてもバランスが良いですね!
ちなみにどうして蓮や蜘蛛などのモチーフなのですか?
別に偏った信者とかではないんですが、宗教に興味というか関心があって。
蓮は仏教で仏を表したりするし、蓮座とかあるじゃないですか。
ありますね!お仏壇とかの。
蓮の花自体も好きなんですけど、それだけじゃ人と被りそうだな〜って思って何かモチーフを付け加えたくて。
他にも、蝶とかって死者の魂の象徴だとか言われてたり。
祖父と真ん中の兄が亡くなってしまったタイミングと被っていたので、このデザインにしました。
なるほどですね。で、そこに蜘蛛の巣と蜘蛛って感じですか?
はい。これは「蜘蛛の糸」って小説?からとってるんですが、知ってますか?
はい!芥川龍之介の作品ですよね。
そうです!
蓮と言えばで出てきたのが「蜘蛛の糸」だったので、蓮に足して頂くような形で完成しました。
なるほど、ありがとうございます。
その後は背中ですかね、これは彫なかさんに九尾を人っぽくしたやつと、菊の花を入れてもらいました。
結構大きいですね!どうして九尾にされたんですか?
なんか私、子供のころから妖怪とか変わったものが好きで。
逆にそういう、魔物っぽいもののほうが魔除けになったりとかって言われているんで、その中から探してて。
色々見てたら九尾が一番良かったので九尾にしました。
へ〜!綺麗ですね!
その後に赤い月とコウモリを。
これもChihiroさんに入れていただきました。
赤い月とコウモリって、これもまた一般的には不吉なものですよね?
同じように、魔除け的な意味合いで赤い月なのでしょうか?
そうですね。それもあるんですけど、やっぱり人と被りたくないっていうのが(笑)
なるほど(笑)では、由佳さんのタトゥーは、ファッションとして入れられてっていうほうが多かったりしますか?
好きなものを入れているので、ファッションとして入れてる感覚もありつつ、自分に足りないものを補っている感じです。
パズルのピースをはめていく感覚ですかね…。
少し分かる気がします。
逆に、何かの記念であったり、強く思い入れがあったりするタトゥーとかってありますか?
それで言うなら、この腕のノーティカルスターはそうだと思います。
ノーティカルスターの「自分の方向を指し示す」という意味通りで、ちょっとそういう時期があって(笑)
というと何か迷われていたというか、思い悩んでいる時期に入れられたということですかね?(笑)
そうですね、仕事面でもプライベートでも(笑)
上司と合わなかったり、丁度お付き合いしている人と上手くいっていなかったときに、30歳っていう節目にあたってこのタトゥーを入れました。
ちなみに、ノーティカルスターをタトゥーをいれて変わりましたか?
う〜ん、実はその後にもすぐ入れてるんです(笑)
一番最近のタトゥーで、この足の薔薇と左目がそうです。
本当、よくみたら左目ですね…。
これはまたどうして?
薔薇は元々、デザイン的に好きで入れたいってずっと思ってたのはあって。
左目っていうのが「真実を見抜く」っていう意味合いがあったので、これも色々迷っていた時期に入れました。
真実を見抜く…ですか!
Chihiroさんはこういうタッチもお上手なんですね!
そうですね、綺麗ですよね。
ちなみに今は、もうある程度方向性は定まったというか、思い悩むことはなくなりましたか?
はい、合わない上司の方も部署異動しましたし、新しくお付き合いしている方も今のところ前に進めています。
それは良かったです!
では少し、ご質問をさせて頂ければと思うのですが、タトゥーを入れていてお困りになったことってありますか?
うーん、基本的には無いですね。仕事も何も言われないですし。
ただ私も冠婚葬祭に行く際は隠しているので、それくらいですかね…。
なるほど、では逆にタトゥーを入れていて良かったなと思う瞬間とかってありますか?
これは仕事のことになるんですが、私は今管理職に就いているので新人の教育とかをさせて頂くことがあって。
で、新人にお仕事を教えたりするじゃないですか。
ほうほう。
私のこと見て、多少怖がったりするんだろうな〜って思って接してたら、数ヶ月後とかに「最初は怖い人だと思ってたんですけど、全然優しくてびっくりしました!」とか言われた時に、嬉しかったりしますね(笑)
あ〜!ヤンキーが犬可愛がってたら、より優しく見える的な感じですかね?
そうかもしれないです(笑)
きっと由佳さんがタトゥーについて、周りがどう感じるかを考えているので、より行動に気を付けられているのでしょうね。
確かに、それはあるかもしれません。
ありがとうございます。
では最後に、DOTTの読者の間では、タトゥーについて「ファッションではない」「隠すから良いもの」など、色んな意見が見受けられます。
タトゥーの入っている一般の方のご意見として、普段タトゥーを見せたり見せなかったりというのは、どちらの方がいいと思いますか?
タトゥーは本当、自己満の世界なんで正直どっちだっていいと思います。
大切なのは、その人の人間性なのかな、と。
最近もニュースとかで、犯罪を犯した人とタトゥーが一緒に報道されたりもしてましたけど、結局それは入っているのも入っていないのも同じように扱われるべきであって。
タトゥーが入っている人がどうとか、そんなんじゃなくて、「その人の人間性」。
本当に、それだけだと思います。
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