2019.4.23 / Social

タイのタトゥー事情|現代と歴史、タイでタトゥーを入れる方法

東南アジア諸国の中でも、特に著しく発展を遂げている都市、タイのバンコク。
甚だしい経済成長は観光業も潤し、世界でも観光客の絶えない今アツい国である。

今回はそんなタイのタトゥー事情について、タトゥー・刺青の歴史をはじめ、タイにおけるタトゥーはどのような立ち位置なのか、また日本人観光客や在タイされている方はどのようにタトゥーを入れればいいのか、詳しく解説を行なっていこう。

タイにおけるタトゥー

ではまず、タイにおけるタトゥーを解説するにあたり、タトゥーの発祥と歴史、またタイ伝統のサクヤンについて、ざっとご説明してみよう。

歴史

いつからタトゥーを施すようになったか、というのはタイというより、世界的な起源というのも明確にも言及が難しい。
がしかし、タイの伝統のタトゥー「サクヤン」の原型は、仏教の伝来と同時期である13世紀の後半に発祥・発展を遂げてきたと言われている。

そして14世紀のタイ族は男性のほとんどが肘や刺青にタトゥーを施していたとされ、アユタヤ王朝では政府職員がサクヤンによって身分を表していた時代もあった。
※諸説あり

それから、おおよその原型は大きく異なる事なく、現代に至るまで「サクヤン」の伝統は守り抜かれている。

参考文献:https://www.kosaiji.org/
参考文献:https://www.sak-yant.com/

サクヤン|タイ伝統のタトゥー

サクヤン|タイ伝統のタトゥー

説明が遅くなってしまったが、サクヤンというのはタイの伝統のタトゥーで、災厄から身を守る、「お守り」に近いものとしてタイの国民に愛されている。
サクヤンについては、伝統のサクヤンマスターへ取材を行なった記事があるため、詳細はこちらを読んで頂きたい。

現代のタイのタトゥー事情

そうして伝統を絶やすことなく守り続けてきたタイのタトゥーだが、今ではファッションとしてのタトゥーも発展を遂げている。
ここでは、バンコクにあるタトゥースタジオ、『OD TATTOO』の彫り師に実際に取材を行なった内容も含め解説を行おう。

タトゥーの法律と、衛生問題

衛生|タトゥーインクとニードル

大多数のタトゥースタジオでは針の使い回しは行なっていないが、まだまだ全てのタトゥースタジオで徹底されているわけではなく、2018年9月には針の使い回しによる施術者のHIV感染、死亡事故につながった事例が報道されている。
リンク:https://www.bangkokpost.com/

タイにはタトゥーに関する明確な規制を行なっている法律が無く、特別な申し出や免許の取得は必要ないことも、原因の一つとして挙げられるだろう。

タイのタトゥー料金相場

現地のタトゥースタジオの平均的な相場では、ハガキサイズで※⑴14,000円〜20,000円程。
背中一面でも※⑵180,000円〜220,000円程とのことなので、日本と比べると3分の1程の格安の料金で彫ることが出来る。
※⑴4,000〜6,000バーツ
※⑵50,000〜60,000バーツ

タイで流行りのタトゥースタイル

タイの女性|タトゥースナップ

日本で今、細線のレタリングのタトゥー等が流行っているのに対し、タイではラインワークやブラックアンドグレイが主流で、カラーワークよりも単色の作品の人気が高いようだ。

タイの街中で撮ったタトゥーについては、こちらのスナップに纏めているため是非。

タイのタトゥーイベント

ではここからは、タイで行なっているタトゥーに関するイベントについて、大きな二つをご紹介してみよう。

ワットバンプラ|タトゥーの祭典、ワイクルー

タイでは年に一度、三月の第一土曜か第二土曜にワットバンプラという寺院にて、数千人が集まる「ワイクルー」と呼ばれる祭典が催される。
「ワイ=合掌」「クルー=師」を意味し、ワットバンプラで祀られている「ルアン・ポープン」と呼ばれる寺院の創設者への感謝を表す儀式のようなものである。
※余談だが、とある文献によると世界的にみてもタトゥーに関する宗教的な祭典を持つ国はタイだけだとされている。

この祭典では、伝統的なタトゥーであるサクヤンを身体に持つものが、それぞれ身体に刻んだサクヤンに相応するモチーフが憑依するような形で、トランス状態になることでも有名。
(虎をサクヤンとして彫っている方は、虎のように叫び、走り出すイメージ。)

筆者もワイクルーへ足を運んだことがあるが、その衝撃を字面で伝えきるのは難しいため、興味のある方はご自身で是非。

大会|Thailand Tattoo Expo

そしてタイでは、アジア屈指の彫り師とタトゥー愛好家が集まり、その作品を競い高め合う「Thailand Tattoo Expo」が年に一度開催される。

規模感としても大きく、各国の凄腕アーティストや、素晴らしい作品の数々を見ていると、タトゥーの社会的進展に関しては日本の遅れを感じてしまうことだろう。
次回の開催は2020年になってしまうが、タトゥー愛好家の方、アーティストの方は是非足を運んでみてはいかがだろうか。
※入場料は確か1,000円未満だったはず。

タイでタトゥーを入れる方へ

では最後にタイ在住の方や、観光客の方で、「タトゥーを入れたい!」と思われた方へ向け、実際に足を運んだタトゥースタジオを幾つかご紹介し、本記事を締めくくりたいと思う。

タイのタトゥースタジオ

OD TATTOO

 

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今回、本記事を執筆するにあたり調査及び取材にご協力いただいたのが、こちらの『OD TATTOO』。
オープンスタジオとして店舗を構えるスタジオは、バンコクでは有名なタトゥースタジオの一つであるそうだ。

流行を抑えたファインラインのレタリングや、ドット、ジオメトリック、可愛いカラーワーク等も上手であるため、女性や観光客の方でファッショナブルなワンポイントタトゥーを入れたい方にはオススメ。

スタジオ名 OD TATTOO
住所 แขวง คลองตันเหนือ เขต วัฒนา กรุงเทพมหานคร 10110
電話 +66 81 916 7802
Instagram @odstudiotattoo
営業時間 11:00〜21:00

ALL DAY TATTOO

 

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『ALLDAY TATTOO』は、広い店内に10名のアーティストが在籍する、バンコクでは最大級の大型オープンスタジオの一つ。
筆者も実際に足を運んだが、綺麗な内装や、大きな受付ブースと対応に、安心感を感じた。

スタイルはオールジャンルを得意としており、Instagramには国内のスタジオと比較してもクオリティの高い作品が多く見受けられる。
飛び込みでタトゥーを彫りたい方、初めてのタトゥーの方でも、安心して彫っていただけるタトゥースタジオの一つではないだろうか。

スタジオ名 ALLDAY TATTOO
住所 710/4 Sukhumvit Road, Phrom Pong, Bangkok 10110
電話 0983814364
Instagram @alldaytattoobkk
営業時間 12:00〜20:00

Stroker Tattoo Bangkok

 

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DOTTで幾度かご紹介をしたことがある、町田・横浜に店舗を持つSTROKER TATTOOだが、実はバンコクにも出店をしている。
もし在タイされている方などで「日本人経営のタトゥースタジオがあればな…」といったがいれば、「STROKER TATTOO BANGKOG」はいかがだろうか。

こちらであれば、日本同等のクオリティと安全性が確保されているため、他所の見知らぬタトゥースタジオに足を運ぶよりは安心してタトゥーを入れてもらうことが可能である。
三店舗のオーナー兼、彫り師をされているKAN氏が定期出張も行なっており、タトゥーについては勿論、タイの観光についても快く教えてくれるだろう。

ファーストタトゥーを入れたい方や観光客の方は勿論だが、在タイされていて大きな作品を彫りたい…といった方にもオススメ。

スタジオ名 STROKER TATTOO BANGKOK
住所 the Sukhumvit 63 Road Ekkamai
電話 091-859-9243
HP https://strokertattoo.com
Instagram @strokertattoo_bangkok
営業時間 11:00〜20:00

まとめ

いかがだっただろうか。
今回は「タイのタトゥー事情」をテーマに、タイにおけるタトゥーの位置付け、法律を始め、タイのタトゥースタジオの情報をご紹介した。

筆者は海外のタトゥー事情を知ることも好きなので、しばしば海外に行って調査を行なっている。
タトゥー愛好家の皆様も、是非DOTTをご参考に足を運んでいただき、海外諸国のタトゥー事情を知ってみるのも面白いかもしれない。

では、良いタトゥーライフを!

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