従来に比べ、ファッションとしても気軽に楽しまれつつあるタトゥー・刺青。
和彫りやトライバル、ブラックアンドグレイなど、様々なスタイルをシーンで目にする。
そんな多様なスタイルの中で、DOTTの筆者が「2019年、確実に流行する」と踏んでいるスタイルが、幾何学模様のタトゥー「ジオメトリック」。
今回はそのジオメトリックタトゥーについて。
歴史やおすすめのデザイン、また最後には世界で活躍する実力派アーティストを数名ご紹介しているため、是非最後まで読んでいただきたい。
ConTTents
ジオメトリックタトゥー
そもそもジオメトリックとはどんなスタイルで、人類が幾何学模様に惹かれるようになったのは一体いつ頃なのだろうか?という点も、歴史と一緒に解説してみよう。
ジオメトリックタトゥーとは
ジオメトリックタトゥーとは、「幾何学模様で描かれたデザイン及び、幾何学模様を含むモチーフのタトゥー」の総称である。
円や三角・四角などの図形のみで構成されたものもジオメトリックだが、動物や花などもモチーフに図形を掛け合わせたものなども全般的に呼称することが多い。
法則が決められたスタイルとは違い、線幅や図形などが無限にある分、意外にもバリエーションが豊かなのが人気の理由の一つだろう。
幾何学模様の歴史
ジオメトリックタトゥーは、ここ4,5年内に海外メディアから爆発的な注目を浴び流行に至ったわけだが、幾何学模様はいつから人類に愛さ、どうタトゥーとして変貌を遂げてきたのだろう。
最初の幾何学模様
周期関数で表すことができる「幾何学模様」は花や雪の結晶、原子の配列など、自然の摂理に基づいて生まれてきたものが大半だが、芸術や装飾として親しまれるようになったのは紀元前900年〜700年の古代ギリシアが紀元とのこと。
「幾何学様式」という名称で、陶器などに装飾目的で施されたのが、残っている文献では最古だ。
幾何学模様はタトゥーデザインに
そしてタトゥー文化の発達の中で、この幾何学模様がタトゥーのデザインに用いられるようになる。
代名詞であるトライバルタトゥーでは、三角や四角などの模様が多く見られ、幾何学模様はタトゥーデザインの発展に大きく寄与した。
デジタル絵画の発達と共に流行
そして現代のタトゥーシーンでは、ステンシル(転写)の誕生然り、「デジタル絵画(通称:デジ絵)」の技術の発展が大きく影響し生まれた、新たな幾何学模様のデザインが再熱していると見るのが妥当だろう。
今や、簡単に直線や正円や、上下左右対称の絵が描けるソフトウェアが数100円〜で購入できる時代になり、誰もがデジ絵を始められることが、ジオメトリック流行の最大の要因だと踏んでいる。
今年さらに流行する!?
更に筆者は、2019年さらにこのジオメトリックが流行すると予想。
理由はいくつかあるが、デジ絵人口の増加、タトゥー技術の発達をはじめ、日本の流行傾向と照らし合わせ考えられる。
流行の傾向というと、ルーツが無く、単にファッションとしてのタトゥーが日本でも受け入れ始められたこと、さらに細いラインやドットワークが流行っていることからも、今後ジオメトリックはさらに流行するだろう。
幾何学タトゥーデザイン
前置きが長くなったが、ここからは気になるタトゥーデザインについてご紹介しよう。
シンプルなものから、他のスタイルとの掛け合わせも個性的で、スタイルのバリエーションが多いことが分かって頂けるはずだ。
シンプルなジオメトリック
三角形
ジオメトリックの代名詞、三角形を用いたタトゥーのデザイン。
ミニマルタトゥーでも可愛らしい三角形だが、最近は大きめのモチーフに三角形を合わせ、多様なスタイルを織り交ぜるデザインなども流行っている。
正円
こちらは正円を用いたシンプルなジオメトリック。
三角や直線との相性も非常によく、特にシングルニードルなどの細いラインで描かれたデザインが人気である。
円形(曼荼羅)
円形で、中に対称の模様が入ったデザインは、モチーフによっては曼荼羅(Mandala)と定義されることも多い。
シンプルになりがちデザインだが、ドット(点描)による陰影の表現や、塗り・色の抜き感で多彩な表情を見せたりと、様々なモチーフで個性を表現できる。
対数螺旋(ベルヌーイの螺旋)
「対数螺旋」より「黄金比」というワードでこの形を連想する方も多いのではないだろうか。
数学的な話になるので言及は避けるが、黄金比によって導き出される「対数螺旋(ベルヌーイの螺旋)」も、海外では人気のモチーフ。
アレンジされたデザイン
水彩画×ジオメトリック
シンプルなジオメトリックは、水彩などの派手目なカラーとの相性も◎。
動物×ジオメトリック
動物とジオメトリックの掛け合わせは、ジオメトリックをファッショナブルに楽しませるようにさせた、火付け役とも言えるだろう。
現在でも世界的に人気が高く、このモチーフの中でもリアリスティックやカラー、ブラックアンドグレイなど、多様なスタイルへと分岐していく。
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花×ジオメトリック
花とジオメトリックを織り交ぜたデザインも、国内外問わず人気のモチーフだ。
華麗に描かれた花は洗練された図形や線との相性が良く、カラーを用いることで可愛く、黒単色であればクールにと、多彩な表現が出来る筆者おすすめのデザイン。
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ここからは日本で彫っている方は少ないものの、海外では人気のスタイルをご紹介する。
まとまりにくく、大きめになりがちな景色のデザインも、ジオメトリックでスッキリ。
浮世絵×ジオメトリック
それそのものが芸術でもある浮世絵や絵画は、ジオメトリックと掛け合わせることで、よりモダンな雰囲気へと変貌する。
画像にもある葛飾北斎の「冨嶽三十六景」の浮世絵は海外でも大好評で、幾何学的な雰囲気のものや、ドットワークなど、アレンジを効かせたものが多い。
トライバル×ジオメトリック
民族のタトゥーとして知られるトライバルも、ジオメトリックを取り入れることで現代的なブラックワークのような印象を与える。
DOTTでは、他にも様々なトライバルのスタイルをご紹介しているため、気になった方は是非。
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フルスリーブ
腕一本に施されたジオメトリックは、ある種、最も装飾的なタトゥーの一つ。
タトゥーに込められた想いを語ってるシーンは幾度か見たことがあるが、歴史や意味の込められていない無機質なタトゥーに「タトゥー・刺青とは?」と考えてしまうのは私だけではないだろう。
タトゥーイングはさながら、ステンシルを貼り、綺麗に辻褄を合わせる技術が必要であるため、難易度の高いスタイルである。
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ボディスーツ
ジオメトリックを専門とするアーティストは少なく、ボディスーツで彫れる方は世界でも有数だ。
完成された作品は神聖で美しく、人体のあらゆる曲線と立体・対称性を認識させる魅力を持つ。
実力派アーティスト
では最後に、ジオメトリックタトゥーを得意とする、実力派アーティストを数名ご紹介しよう。
Kenji Alucky
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Kenji Alucky氏は有数の彫師を抱えるサンフランシスコの「Form 8 Tattoo」で活動する、日本人タトゥーアーティスト。
Instagramのフォロワー数は約20万人と、日本人タトゥーアーの中ではトップクラス。
世界でも類を見ない独創的な幾何学模様として知られており、人体の曲線や形状を損ねずに、肉体美と芸術性を両立させた彼の作品の数々は、まさに圧巻である。
Lewisink
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Lewisink氏はパリで活動するアーティストで、Instagramのフォロワー数は22万人ほど。
個人的には、彼は「引き算」がとても上手いというか。
ジオメトリックの基本を押さえながらも、大胆な塗り・抜きを取り入れることにより、よりファッショナブルで、バランスの良い作品に仕上がっている。
ジオメトリックはブラックアウト(黒塗り)との相性も抜群に良く、Lewisink氏の作品は特に好例だろう。
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Alexis Calvié
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最後に、個人的には最注目している、フランスで活動するAlexis Calvié氏の作品をご紹介。
韓国・日本を始めとするアジア諸国の伝統的な模様、密度の濃いドットに、ジオメトリックと様々なスタイルを織り交ぜ、一つの作品として纏まりを魅せている。
各国の伝統装飾、最新の技術、幾何学模様と、タトゥーにおけるエッセンスを豊富に取り入れた、最も現代的で新しいスタイルの一つだろう。
まとめ
いかがだっただろうか。
今回は数多あるタトゥースタイルの中でも、幾何学模様で知られる「ジオメトリック」についてご紹介した
タトゥー・刺青には様々なスタイルが存在するが、全てのスタイルの種類をまとめた記事があるため、気になる方は是非読んでいただきたい。
【最新】タトゥー・刺青の種類 全26種|参考デザインまとめ
今やファッションや個性の表現として認められるようになってきたタトゥー。和彫りを始め、トライバルやブラックアンドグレイなど。様々なタトゥーの種類を見たことあるはず。 今回はタトゥーのスタイル・種類の全てをもれなくご紹介!
では、良いタトゥーライフを!