街中で、服屋さんで、バーや居酒屋、ライブハウスで。
様々なシーンでタトゥーを目にすることが、増えてきたように感じられます。
タトゥーは一生消えないものとして認知されていますが、その１つ１つに持ち主の確固たる想いが込められています。
もし話しかけられるのであれば、そのタトゥーにはどんな想いが込められているのか、またどんな人柄で、どんなお仕事をしているのか聞いてみたいものですよね。
「YOUR TATTOO」は、タトゥーの持ち主の人柄や人生を「タトゥーを通して知ってみる」。
そんなDOTTの連載企画です。
ConTTents
平本 蓮
今回『YOUR TATTOO』へ出演いただいたのは、今話題のキックボクサー、平本 蓮選手。
タトゥーに関するインタビュー部を読んでいただく前に、まずは平本選手を戦績なども交えてご紹介してみよう。
平本 蓮とは
平本 蓮（ひらもとれん）は東京出身、プロ・キックボクサーである。
父に勧められ、小学生の時に近所のムエタイジムへ入会、格闘技の世界へ踏み込んだ。
若かりし頃から強豪選手として注目を集めてきた平本選手は、2014年のK-1 甲子園で優勝。
また2018年3月の試合では、ムエタイ新最強伝説こと「ゲーオ・ウィラサクレック選手」にKOでの勝利を収め、たちまち世間を賑わせることとなった。
噂の絶えない平本選手
しかし彼の人気の理由は、その強さだけではない。
Instagramを拝見する限り、プライベート面でも充実した日々を送っているように見受けられ、ファンの中では「彼女がめちゃくちゃ可愛い」や、「K-1を離脱するのでは？」「タトゥーは本物？」など、常に噂の絶えない平本選手。
21歳という若さにしてて、ここまで支持や注目を浴びる平本選手に、スター性を感じてしまうのは私だけではないだろう。
YOUR TATTOO
そして今回は平本選手の専属彫師である、『BIZEN ART Tattoo Studio』の美漸さんご協力のもと、平本選手に「YOUR TATTOO」として自身のタトゥーについて話を聞かせていただける運びとなった。
彼自身のタトゥーの意味や、タトゥーを入れる経緯、格闘技界で活躍する選手の一人として「日本の格闘技団体がタトゥーNGであること」に対して等、想いを語って下さった。
では、タトゥーを入れられた経緯について教えていただけますか？
一番最初にタトゥーに興味を持ったのは…。
僕が最初に入った『K-RIVER』ってムエタイジムの関係者にほとんど刺青が、それこそ会長とかもすごい入ってて。
それ知らないまま小学生の時にそのジムに入って、そこで刺青バチバチいれた人に「おいハゲ（笑）」とか言ってたら「お前おもしれぇな」って可愛がってもらって。
美漸氏の作品より：リンク
その時には何か漠然と「あ、格好いいな」って思ってて。一番最初に意識したのはその時ですね。
「格好いいな、いつか俺も刺青入れたいな。」って思ってたんですけど、所属している団体が刺青NGだったので「夢のためには諦めようかな…。」って思ってて。
ただ、今までずっと戦いたいって思ってた選手がいて、その選手と2018年の3月に試合して勝てたんですよ。その時点でなんか燃え尽きたっていうか。
目指す先が変わって「海外で活躍したい」って思うようになったので、それを心に刻むって意味でも、刺青・タトゥーを入れようかなって。
まぁでも、シンプルに格好いいなって思ったのが大きな理由です。
きっとその会長さんや、その先輩の方々への憧憬…もありますよね。
そうですね。当時はそのジムの会長がすごい好きで、会長に会いに行ってた感じでした。
格闘技自体も、初めて自分にハマったものというか。
僕ってゲームとか、好きなことしか出来なかったんですけど、格闘技は初めてちゃんとできるなって思ったんですよね。
で、最初に入れられたのがこのタトゥーですね。
はい、右手のダイヤとファイアパターンがファーストタトゥーです。
美漸氏の作品より：リンク
K-Riverのロゴが、ダイヤモンドの上に「K-RIVER」って書いてあるロゴで、ダイヤモンドのインパクトが結構あって。
初心を忘れないっていうのと、燃えても挫けないような気持ちでいたいなって気持ちで入れました。
あとはデザイン的にファイアパターンも凄い好きだったので、まぁシンプルに格好いいから入れたかったですね。
2018年の10月頃に、美漸さんにお願いして入れてもらいました。
タトゥーを入れる前と後では、心情に変化はありましたか？
ああ〜。練習中もグローブしてて「かっこいいな。」とかはありますけど…理想の自分に近付いたって感じが一番大きいかもしれないですね。
ただのシンプルなTシャツを着てても、タトゥーが入っていたら格好良かったりしますし、そういう嬉しさは感じました。
美漸氏の作品より：リンク
次に入れられたタトゥーは？
左腕の『K-RIVER』です。
ずっと『K-RIVER』ってデザインを美漸さんが考えてくれていて、最初は右腕に繋げようかと考えてたんですけど。デザインが良かったので左に目立つように入れようかなって。
もともとK-RIVERは「治安悪い町の仲間達」っていうチカーノ的な意味らしくって。
僕がいた足立区は東京でも治安が悪い町だったので、意味もいいし、デザインも格好いいなって。
他にも首にも入れられてますよね？
はい、背中に星を…。
美漸氏の作品より：リンク
アレですね？（笑）
ジョジョ（ジョジョの奇妙な冒険）のジョースター家にある星です。
ジョジョがめっちゃ好きっていうのと、海外で試合してたらウケるかなって（笑）
僕は一番5部が好きですね。ジョルノ・ジョバーナの「覚悟とは—」の名言が凄い好きで。
やっぱ海外でもアニメ人気なんですね！
海外のジムで練習してたら「タトゥーいいね」って外国人とタトゥーの話になったりするんですけど、その時に右腕のファイアパターンも「火拳のエース！」とか言うと、凄い喜ぶんですよ（笑）
あはは（笑）
本日入れられたタトゥーは？
美漸氏の作品より：リンク
女神に天使と悪魔の翼が生えてるものです。
ずっと翼を入れたいなって思ってて、それも、翼の両方違うタイプで。
女神とかのチカーノ的なデザインも好きですし…………あとは、あんまり理由言うのは恥ずかしいので（笑）
ありがとうございます。
いくつかご質問をさせて下さい。
まず、日本の格闘技団体でタトゥーNGなことについては、どう思われますか？
う〜ん。日本で（格闘技を）やる以上、仕方ないのかなとは思いますね。
「タトゥー＝悪」って言ってる格闘家もいますけど、入れている人が全員悪い人ってわけではないじゃないですか。
ただ、日本でやる以上は仕方ない。
「タトゥーは悪くないんだし、普通に認めてくれよ」って周りに理解させるんじゃなくて、自分で納得するしかないんじゃないかなって。
なので、あんまりそこは何も思わないけど…でも外国人はタトゥーOKで。
そこに日本人選手も「なんで日本人だけNGなんだ？」ってところはあるのかもしれないですけどね。
その辺りは割り切ってお考えなんですね。
そんな中でも、今までにタトゥーで困ったことってありますか？
ああ（笑）僕、じいちゃんにめちゃくちゃキレられましたね（笑）
昭和の人間なので「刺青≠カタギ」みたいなイメージがあるみたいで。
ブチギレてたのを無視してたら、他の家族に「あいつは次にシャブ食うぞ」とか言われてて（笑）最近は「まあいいぞ」というか、落ち着いてきました。
あとは…。意外に困ったことないかもしれないですね。
ちょっとずつ皆に浸透されてきてるのかなって。お風呂は昔ながらの銭湯しか行けないですけどね。
逆にタトゥーで良かった思い出は？
どんな人であれ「タトゥー、格好いいじゃん。」って言われたら、それだけで嬉しいですよね。
手に入れた限定のスニーカーとか、お金出して買った高い服とかよりも、タトゥー褒められるのが一番嬉しいですね。
今後、平本さんのような格闘家の方々に憧れを抱き、「タトゥーを入れたい」と思う方も少なからず出てくるのかなぁと。
タトゥーを入れようか迷われている方へ、一言アドバイスをいただけますか？
「入れちゃえ。」って感じですね。全然入れちゃえばいいと思います。
わかんないですけど、そんなに堅苦しく考えなくていいと思うんですよね。
日本だったら生き辛くなることもあるけど、僕はタトゥーを入れて死ぬくらいだったら、タトゥーを入れなくて死んでいく方が嫌だなって。
だったら経験して死ぬ方が、いいなって思ってます。
しない後悔より、して後悔？
そうですね。全然入れちゃえって感じです。
では、今後入れたいタトゥーはお決まりですか？
いつか背中に和彫りを入れて試合したいな…っていうのと。
現役中は腕にタトゥーを増やしていって、引退した後に額（和彫り）で纏めたいですね。
では、最終的には原点というか、K-RIVERで憧れた…？
そうですね、和彫りに還ってくる感じです。
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