前回DOTTでは、ELLEGARDENのフロントマン、細美武士のタトゥーについて紹介を行っが、ロック界のバンドマンを紹介する上で外せない人物がまだ存在する。
Hi-STANDARDのギターボーカル、横山健(Ken Yokoyama)である。
今回はもう一人のレジェンド、横山健の全身に刻まれた刺青・タトゥーについて、意味やその思想をご紹介しよう。
ConTTents
横山健とは
経歴
1969年生まれ(現在48歳)、東京都出身のミュージシャンだ。
1991年に結成したロックバンド、Hi-STANDARDのギタリストとしてシーンに登場以来、唯一無二の存在感で日本のバンドマンのアイコンとして親しまれている。
1999年には横山主導のレーベルPIZZA OF DEATHを設立。
時代を先取りしたスタイルが多くのフォロワーを獲得し、「物言うパンクス」として彼の発言はつねに注目を集める。
Hi-STANDARD活動休止後は、KenYokoyama名義で活動し始め、彼がGt&Voをつとめるソロバンド、KenBandとともにツアーを次々と成功させた。
Mステの出演とタトゥー
Hi-STANDARDおよびKenYokoyamaは、地上波テレビには露出しないバンドとして認知されていた。
しかし2015年、突如 KenBandがテレビ朝日系列のミュージックステーションで生演奏を披露するという未曾有の出来事が話題となった。
そのことについて、彼は以下のように語る。
いまの時代、子ども達はロックンロール/パンクロックの存在など知らないだろう。なにしろわかりやすいキッカケがないのだから。大人達も忘れてしまっているだろう。
かつてハイスタに熱狂した世代も、年を重ねるにつれて仕事が忙しくなったり、家庭を持ったり、子どもの世話に追われたり…きっとロックンロールどころではなくなった人も多いはずだ。
子ども達には「こんなラフな音楽あるんだよ、ロックンロールっていうんだよ」っていうのを見せたかったし、大人達には「ほら、かつて君達が熱狂したあれ、まだ死んでねぇぞ」っていうのを届けたくなった。
http://kenyokoyama.com/”
この出演は、横山サイドからMステに積極的な働きかけをして実現したと明かした。
「横山健のとなりにタモリがいる」と、古くからのハイスタファンからすると夢のようなシーンを目の当たりにする一夜であった。
Mステ出演の考察
この点について、タトゥーメディアDOTTとして注目したいのは、横山健は長袖&パンツで刺青をすべて隠して出演したということ。
これはお願いして出させていただく以上、マナーを守る必要があるという彼の判断によるものである。
自分の刺青はおしゃれタトゥーではなく、「輩」風に見えるものである自覚がある。
不特定多数の人が流し見するであろうゴールデンタイムでは自主規制した、とのこと。
横山健は突っ張るところは意地でも曲げない人物だ。
しかし、まず突っ張るべきかどうか?を考え、柔軟に対応できるしなやかな思考を持った大人であることも伺える。
Hi-Standardとは
1991年に結成した3ピースロックバンド、Hi-Standard(通称:ハイスタ)。
メンバーは難波章浩(Vo.)、横山健(Gt.)、恒岡章(Dr.)。
1995年に1stフル「GROWIN UP」をリリース。
すぐさまGREEN DAY、RANCIDなど海外大物バンドと共演し、1997年には自身のレーベルPIZZA OF DEATHより2ndアルバム「ANGRY FIST」をリリース。
インディーズバンドとしてオリコン4位を獲得するという異例の事態を引き起こした。
同年にはハイスタが主催するパンク・ラウドミュージックのフェス「AIR JAM」を開催。
名曲「STAY GOLD」は90年代後半に青春時代を過ごした者にとっては忘れられない一曲で、ご存知の方も多いのではないだろうか。
横山健の刺青
今回、タトゥー情報メディアDOTTでは、彼のタトゥー・刺青についてご紹介する。
彼自身、自分の刺青については「おしゃれタトゥーではない」と言っていることもあり、日本人らしい和彫りが目立っているのが特徴だ。
彼が語る刺青の魅力とは、身体装飾としての芸術性・タブー感、日本伝統刺青の意味やルーツを学ぶことで浮世絵などに興味が広がることだそうである。
左肩・梵字と鯉の和彫り
左肩から腕に掛けては、梵字の「カーン」と大きな鯉を額で纏めた和彫りがある。
元々、梵字と鯉は独立したモチーフとして描かれており、額で後から纏めたようだが、肘下の見切りが「ぶっ切り」になっていることからスマートな印象を受ける。
梵字のタトゥーがかっこいい!梵字の意味や決め方・有名人は?
今回ご紹介するのは、かっこいい梵字タトゥーのデザインや、梵字のタトゥーの入った有名人。 またこれから梵字のタトゥーを入れようと思っている方に向け、「どんな梵字をいれればいいの?」という梵字の決め方についても徹底解説する。
右肩前面・ガネーシャ神
ガネーシャ神はヒンドゥー教の神である。
あらゆる障害を除去して成功に導く、文化や芸術を司る神として有名だ。
宗教のタトゥーについては以前「世界の宗教タトゥー」で執筆したため、気になるかたは是非見ていただきたい。
右肩前面・プーさん
実は横山健はプーさんが大好きである。
ディズニーのプーさんではなく絵本のプーさんが好きで、周りからどう思われていようと自分のありのままでいるプーさんの姿に感銘をうけ憧れているとのこと。
右腕上部・ハイビスカスとLucky
横山健はアロハ柄が好きで、もはやアロハ柄のギターをシグネチャーモデルで出しているほどである。
大好きなハイビスカスと幸運を願うLuckyを組み合わせたタトゥーは、彼にとって気持ちを高揚させるものなのかもしれない。
右腕上部・子供の名前
右腕上部には「楓太」と、彼の息子の名前が彫ってある。
自分の子供へ愛を最短で表すこのタトゥーについて、彫ることは身につけるよりも一段深い行為だと彼は語る。
右腕上部・一周に渡る象のイラスト
息子の名前の下には、沢山の象が腕をぐるっと一周しているモチーフの刺青がある。
それもリアルなものではなく、絵本に出てきそうな可愛らしいタッチの象だ。
横山健は少し不思議な人で、ハードで硬質なバンドマンらしい人物像の反面、可愛らしいものを純粋に好むことが出来る人、であることが伺える。
右腕下部・浮世絵のドクロ
背中・地蔵
画像では確認できなかったが、背中一面には地蔵の刺青があると名言している。
理由は「みんなのお地蔵さんでありたいから」とのことだ。
左足・雷神
左足には和彫りで雷神が彫り込まれている。
日本では古くから雷を、神の仕業として恐れ敬っていた歴史があり、雷神には「豊作・雨乞い・厄除け・健康」などの意味があるとされている。
刺青の規制に対する思想
横山健は日本の刺青のあり方に対して、積極的に意見を述べている愛好家の一人である。
医師免許を持たざる彫り師が、第三者にタトゥーを入れる行為を「医療行為」として法規制しようとする動きについて、「個人的にはとてもアンフェアな規制であると思う」と述べている。
アンチ刺青派の「負のイメージ」を覆すことはおそらく難しいだろうが、医療行為で罰するなどという方法ではなく、適切な法整備による共存を目指すべきだとしている。
このコメントを出した途端、多くの一般の反対派からの意見が寄せられた。
それを受けて自身のラジオ番組のHPにさらに「刺青文化を守りたい者より」と銘打ち、さらに丁寧な意見書を掲載し、以下の3点を述べた。
①刺青に不快感がある人に対しての陳謝。
今後は「刺青を利用した暴力行為」「威嚇行為」を慎むように流布し、イメージ向上に寄与したい。
②刺青を入れている人たちへ向けたメッセージ・注意喚起。
刺青を入れている人たちへの反発の強さは、刺青を入れている人間達の日頃の行いが招いたものであると考え、今後は軽率な行動を自重していくことで流れを変えて行こう。
③今後刺青を入れたいと思っている人へ向けてのメッセージ。
刺青を入れるのは個人の判断ではあるが、ここ数年でかなり厳しくなっていることを忘れずに行動すべき。
詳細についてはこちらの記事から。
横山健の真摯な姿勢が伺い知れる文章であるため、是非ご一読頂きたい。
リンク
タトゥースタジオ
横山健が刺青を入れているスタジオは、大阪と東京に店を構えるタトゥースタジオ・Three Tides TattooだとTweetから確認できる。
腕利きの多いとして知られる、日本の有名スタジオの一つである。
https://twitter.com/KenYokoyama/status/3573316936
まとめ
いかがだっただろうか。
今回は伝説のロックバンド”Hi-STANDARD”のフロントマン、横山健のタトゥーについてご紹介した。
DOTTではこのようにアーティストのタトゥー情報について纏めているため、気になる方はチェックだ。
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では、良いタトゥーライフを!