2017.12.8 / Tattoo

日本伝統の刺青・和彫りの世界|意味やデザイン、その歴史に迫る

和彫りは日本の刺青では一番と言っていいほどの人気の種類で、洋物の図柄の刺青、所謂タトゥーとは対を成すような存在である。

最近ではタトゥーがファッションとして認知されつつある。
しかし和彫りは日本においての社会的位置づけもあり、未だカジュアルに浸透しているものではない。

今回は日本が誇る和彫りの真髄を題材に、和彫りとは?というところから、デザインの意味などについて徹底解説する。

和彫りとは

和彫りとは刺青・タトゥーの中でも日本伝統の和の図柄で描かれたものを指す。
※古来の仏教の伝来により、中国発祥のものも含む。

刺青の発祥については、明確な文献が残っていない縄文・弥生時代まで遡る必要があるが、今デザインの大枠が完成し、大衆に馴染み始めたのは江戸時代である。
当時から犯罪者の証、刑罰の一環として用いられていたこともあり、現代でも反社会勢力の印象が強く根付いている。

しかし大衆の印象とは裏腹に、和彫りのデザインは鮮やかで、美しく、心を打つような魅力を持っているのだ。

和彫りのデザイン・意味

和彫りのデザインは、洋彫りのタトゥーとは全く異なるデザインの構成をしている。

「着物から見えないように」という美学に基づき、基本的には首から上、手首から下に彫られることはない。

背中に最も大きな図柄を描き、その他、腕などの場所にも様々なモチーフが描かれ、最後に全てを額(黒や灰色の雲のような模様)でまとめる。
そうして全身で一体感を表現し、彫り物を纏うような形が代表的である。

ここでは代表的な図柄とその意味を何点かご紹介する。

仏像・梵字

刺青 本尊

Bladeink Tattoo Studioの作品より引用:リンク

仏像(正確には本尊)は大日如来や千手観音、不動明王や阿弥陀如来と、挙げていくとキリがないほど多く存在し、それぞれ意味も異なる。
だが仏像の和彫りを入れる方の大半が、自分に対応した守護本尊を背負うことが多い。

また梵字も同様にそれぞれ異なる意味を持つが、自らの干支に対応した梵字を入れる者が多い。
守護本尊と梵字については、以前公開した下記の記事に詳しく記載がある。

龍(竜)は中国から密教と共に伝来した、伝説上の生き物である。
一括りに龍と言っても様々な龍がいるが、中でも日本でよく知られているのは「青龍」や「昇り龍」のデザインではないだろうか。

四神の内の一体、青龍は「成功・出世・富」の意、昇り龍には「様々な願いを叶える」と漫画さながらの意味を持つと言われている。

蛇は和彫りだけではなく、オールドスクールタトゥーなど様々な種類のタトゥーで目にすることが多い。

日本では「財布に入れておくとお金が貯まる」なんて言葉を聞いたことがあるだろう。
「縁起の良い物」として知られているが、海外ではアダムとイヴの話に出てきたように、宗教的な意味合いも非常に強い。

亀には「亀は千年」とお馴染みの諺がある通り、「長寿・不死を象徴するもの」に始まり「幸運の証」として広く親しまれている。
亀の身体を持ち、尾が蛇になっているものが四神の一つ「玄武」であり、玄武は「不死・長寿と、子孫の繁栄」の二つの意味を持つと言われている。

鳳凰

鳳凰も中国発祥の空想上の生物で、四神の一つである「朱雀」はこの鳳凰から生まれたとされている。
※諸説あり

鳳凰は「愛・平和・幸福」などの意味を持つとされ、デザイン的に美しいことあり女性で入れている方も非常に多い。

虎は日本だけではなく、アメリカなどの海外でも昔から人気のあるデザインである。

「竜虎」という言葉があるように、龍とは対を成す存在で、龍が精神的な強さを象徴していることに対し、虎は肉体的な強さを象徴している。

「鯉の滝登り」という言葉を聞いたことがあるだろうか。
滝を登りきった鯉が、龍に成ったという伝説の話なのだが、そこから「出世の象徴」として古くから親しまれている。

般若の面

釈迦が唱えた経典「般若心経」と、いわゆる般若の面は別物である。

刺青として人気のある般若の面は「女の嫉妬」を象徴するものとして知られており、あまり縁起のいいものではないようだ。

生首

生首は、かの有名な「三代目彫よし」が得意とする図柄の一つである。
死を連想させる見た目とは裏腹に「魔除け」の意味を持ち、日本だけではなく海外でも生首の図柄の人気は非常に高い。

歴史人物

和彫りの総身彫り(全身に及ぶ和彫り)を彫るに当たって、背中一面に何かしらの歴史に関わる人物を入れている者は多いだろう。
九紋龍史進などの小説の登場人物から、弁慶・義経など、様々な人物が描かれる事が多く、それぞれの物語によってどのような意味を持つなどか変わってくる。

図柄の決め方

今回ご紹介したのは、和彫りにおける代表的な図柄のたった数個にしか過ぎない。

もし図案に迷われたならば、実際に彫師の方に自分の境遇や経緯等を話してみてはいかがだろうか。
彼らはその道のプロフェッショナルとして、あなたが一生背負う彫り物を真摯に考えてくれるに違いない。

また、和彫りにおいて図柄も重要ではあるが、額も大切な要素の一つである。
額については別記事をご参照頂きたい。

まとめ

いかがだっただろうか。
日本が誇る伝統の和彫りの図柄には、それぞれに意味が込められているのだ。

刺青・タトゥーがカジュアルになりつつある今のご時世で、その意味を問うことすらナンセンスなのかもしれない。
しかし、今後一生を共にする作品になるのだから、そういった時代の今こそ刺青の持つ意味が大切にするのも趣深い。

では、良いタトゥーライフを!

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