2018.5.11 / Social

世界のタトゥー事情を比較|日本と海外・主要国8カ国

今、世界では空前のタトゥーブームが到来し、各国のタトゥーシーンも盛り上がりを見せている。

しかし、日本ではタトゥーへの風当たりはいまだに強く、一般の方の理解はなかなか得られていないというのが現状。
それに対し日本のタトゥー愛好家たちが、ため息をつきながら「海外はもっと寛容なのに…」と口を揃える。

しかしその「海外では寛容」というイメージは、果たして本当なのだろうか?

今回はそんな漠然としたイメージにある程度の線引きをすべく、主要国8カ国を例に挙げ、社会体制や法制度・一般のイメージなどを比較してみよう。

日本のタトゥー事情

まず、我々の住む日本でのタトゥー事情のおさらいしてみよう。

日本では一般的にタトゥー・刺青は良い印象を持たれていない。
しかし、日本の和彫りは海外でも高く評価されており、高名な和彫り師のもとをわざわざ訪れ施術を受ける外国人も多くいる。

タトゥーの法制度

日本ではタトゥーの施術への規制の動きが強まっており、流動の激しい状態であるため何とも名言しづらいのが現状だ。
昨年2017年9月に大阪地裁が「タトゥーを彫るには医師免許が必要である」との司法判断を下し、いまだ議論が絶えないところである。

2018年10月追記
そこから新たに、2018年の9月に控訴審が行われた。
そこでの主張などは下記記事にまとめているため、是非読んでいただきたい。

就職や仕事

日本の警察官・自衛官・消防官は、入隊前の身体検査でタトゥー・刺青がある場合は不合格となるのが実情だ。
また2012年には大阪府が職員に対して刺青の有無に関する調査を行い、「ある」と答えた人には府民の目に触れない場所への配置転換も行った。

一般企業でも、タトゥーが入っていることをオープンにして就職活動をした場合、かなりの苦戦を強いられる。
逆に飲食店や、取引先・顧客と顔合わせの無いコールセンターなどでは少しずつ受け入れられるようになっているとも言えるだろう。

海外のタトゥー事情

ではここからは、海外のタトゥー事情についてご説明をしよう。
なんとなく「海外はタトゥーには寛容」というイメージがあるが、実は意外と厳しい国も多くあることに驚かされる。

韓国

まずは隣国、韓国のタトゥー事情を見てみよう。
韓流スターなどタトゥーの入っている若者が多いイメージがある韓国だが、実は韓国のタトゥー事情も日本と似たり寄ったりでアンダーグラウンド視されている。

しかし、タトゥー愛好家や彫り師も多数存在しており、韓国からは世界的な有名アーティストを多く輩出している。

法制度

韓国でも「タトゥーは医療行為」という法的判断が下されており、医師免許を持たないタトゥーアーティストは違法な存在である。

就職や仕事

韓国では面積の多い刺青が入っている場合、軍隊に入ること拒否される。
そして入軍に拒否されるとなると、一般企業に入社することが難しくなってくるのだ。

また韓国では、「タトゥー・刺青がある人は警察官には任官しない」公言されている。

一般のイメージ

日本と同じくタトゥー・刺青は反社会的・ギャングの象徴であるという見方も強く、銭湯には「刺青お断り」の貼り紙がしてあるそうだ。
法制度・社会措置・イメージなどは極めて日本に近いと言えるだろう。

アメリカ

2013年度の調査によると40歳までの大人の40%がタトゥーを入れているアメリカ。
タトゥー市場が広いためか、スタイルを問わず様々なアーティストが混在している。

法制度

アメリカの法制度は州によって違うのだか、タトゥーアーティストは認可団体の講習を受講し、各州の衛生局のライセンス認可を受ければ、合法的に施術ができる。

しかし、18歳未満の顧客には保護者の同意書がなければ施術は禁止だとされている。

就職や仕事

何事も自由度の高そうなアメリカだが、実は最近、就職に対して制限が増えているが現状だ。

2016年 米海兵隊では、”Tシャツ&ショートパンツの海兵隊ユニフォームで隠れない部分”のタトゥーを禁止した。
また、NY警察ではタトゥーは制服で隠せる範囲までと規定がある。
教師やビジネスマンたちも服で見えない程度にし、職務中は隠すのがスマートとされている。

一般のイメージ

確かにアメリカのタトゥー事情は日本や韓国と比べると比較的オープンでカジュアルである。
しかし、特にホワイトカラーには保守的な人が多く、タトゥーに対する反発心を持っている人も多い。

イギリス

イギリスを筆頭に、ヨーロッパはその時代の最新スタイルのタトゥーが生み出される場所である。
中でも首都ロンドンでは、世界最大のタトゥーコンベンション「LONDON TATTOO CONVENTION」が開催されることで知られている。

またとある調査では、イギリスでは16歳から44歳のうち1/3がタトゥーを入れているという結果も出ていると言われている。

法制度

イギリスのタトゥーアーティストは、開業する地方自治体に登録を行なう必要がある。

また店の衛生管理や設備、予防接種について定期的なチェックを受ける必要が有るため、他国に比べると高水準の衛生管理を保っている。

就職や仕事

イギリスは階級制度の国。上流階級や中流階級の人はタトゥーをあまり入れない。
だがその反面、労働階級ではタトゥーを入れることは広く受け入れられていると言えるだろう。

そんなイギリスにも制限はあり、「警察は制服で隠れないタトゥーがある場合、採用しない」と発表されている。

一般のイメージ

イギリスの場合、一般的にタトゥーはタブー視されていない。

また、大手車メーカーの”ルノーUK”からは、タトゥーに関して肯定的な視点化からのCMが放送されている。
これは日本では有り得ないことだ、是非ご覧いただきたい。

イタリア

“アートの国・イタリア”は、カラーもブラックワークも個性的なアーティストの多い国だ。
そんなイタリアのおしゃれなタトゥーも老若男女、国民に広く受け入れられている。

法制度

イタリアでは施術の安全性を向上させるため、タトゥーアーティストに対しガイドラインを設けている。
しかしそれが法律で制限されていることはないため、合法といった表現が近いと言えるだろう。

就職や仕事

エグゼクティブにタトゥーをしている人が少ないのは各国と同じではあるが、公務員などにタトゥーの制限はない。
ある種、先進国の中では最もタトゥーに対し寛容的な国の一つだと言えるだろう。

一般のイメージ

イタリアではタトゥーに対し、一般の方々が厳しい視線を向ける人は少ない。
2010年にはタトゥーの入った女性がミスイタリアに選出されたことから汲み取れるだろう。

中国

中国の刺青の歴史は非常に古く、日本の刺青がかつて刑罰として用いられていたのは、中国の黥刑(げいけい)から影響を受けたものだという文献が残っている。

しかし現在、技術を要する可憐で繊細な作品を彫る有名アーティストが多数存在し、各国と比較しても先進的だと言えるのでは無いだろうか。

法制度

中国では、今のところ公的には刺青が禁止されている。
また、中国のマスコミは、2018年1月、刺青・タトゥーの入った芸能人は取り上げない方針を打ち出し話題となった。

ただオープンな大会やタトゥーショップは存在しており、今のところ逮捕者が出た様子はないようだ。

就職や仕事

刺青が入っていると軍隊・警察・公務員には採用されない。
また、デスクワークが中心の一般企業への就職も難しとされている。

一般のイメージ

反社会的勢力とファッションで入れる人の中では愛好されているが、保守的なお年寄りをはじめ、一般の人からは厳しい視線を覚悟しなくてはいけない。

しかし近年女性の間でブームが起こっていたりと、これからもっと寛容になっていくところだろうか。

ロシア

ロシアのタトゥー文化は20世紀初期、ニコライ2世の時代から栄えたと言われている。
日本訪問中のニコライ2世が左肩に龍の和彫りを入れたことから、身体芸術としてのタトゥーが一般人にも広まった。

そしてまた、ロシアにも腕利きのタトゥーアーティストが多く存在する。
以前、ロシアのタトゥーアーティストの予約情報をご紹介したこともあるため、気になる方は一読頂きたい。

法制度

特にタトゥーに関する法的規制はないとされている。

就職や仕事

ロシア軍では軍人仲間でタトゥーを入れ合うこともあるらしく、規制らしきものはない。

ただし、プリズンタトゥーが盛んなため、ロシアの中では”刑務所帰り”を意味する図柄など、タブー視されているものがある。

一般のイメージ

ファッションとしてのタトゥーは若者たちを中心に大変人気があるようだ。
1990年代から合法のタトゥーショップができ、賑わいを見せている。

オーストラリア

オーストラリアでのタトゥーは、老若男女に受け入れられた一般的なものだと言える。
また、ヨーロッパとは違い非階級社会であるため、出自によるコミュニティーの相互監視もあまりない。

オーストラリアのタトゥーアーティストで、以前予約情報をご紹介したこちらの記事もご参考に。

法制度

タトゥーの法制度はライセンス制で、国の定めた衛生管理を行うことが義務付けられている。

またギャングへのマネーロンダリングを防ぐため、必要があればいつでも警察官による視察やレシートのチェックなどを受ける決まりだ。

就職や仕事

オーストラリアの警察官は、顔や首へのタトゥーは禁止されている。
加えて、攻撃的な内容や差別的な文言のタトゥーは服で隠すように指導されるが、逆に言うとそれ以外の規制はないため、比較的緩いほうだと言えるだろう。

一般のイメージ

オーストラリアでは、子供たちのお楽しみイベントで、タトゥーシールを貼ってくれるアクティビティが人気だ。
身近な大人がタトゥーを入れているケースが多いため、子供にとってもタトゥーは特別なものではないようである。

まとめ

いかがだっただろうか。
各国でバラつきはあるものの、タトゥーに全く制限がない国はほとんどなく、タトゥーに対してどのような姿勢をとるのかも各国で様々だ。

しかし、日本においてはタトゥーを入れるのには少なからずリスクが伴うが、別記事にて詳しく記載しているため気になる方はぜひ見てほしい。

では、良いタトゥーライフを!

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