チカーノタトゥー
2017.11.27 / Tattoo

チカーノタトゥーとは?クールすぎるチカーノの歴史・デザインや意味に迫る

世界では様々な種類・スタイルのタトゥーがファッションや宗教的なものとして親しまれているが、日本において”刺青やタトゥー”で連想するのはヤクザや暴力団など、やはり反社会勢力だろう。

今回ご紹介するのは、ギャングから始まった文化だとされている、”チカーノタトゥー”についてである。

そもそもチカーノとは? またタトゥーの発祥や歴史はどのようなものか。
またこれからチカーノタトゥーを入れようと思っている方に向け、定番のデザインやその意味も記載しているため、是非参考にしていただきたい。

チカーノタトゥー

チカーノとは

そもそも「チカーノ」とは、「メキシコ系アメリカ人(男性)」のことを指し、女性の場合は「チカーナ」と言われる。

もともとは差別用語として用いられてきた”チカーノ”という言葉が、差別の逆境に打ち勝つためアイデンティティを示す言葉に変容していき、独自の文化を築きあげるまでに至る。

現在ではチカーノであることの誇りや強い社会意識・団結意識を持つようなポジティブな言葉として用いられている。

チカーノタトゥー

そして今までファッションや音楽など、独自の芸術性を展開してきたチカーノだが、今回ご紹介するのは彼ら独自のタトゥー、”チカーノタトゥー”についてである。

昨今では世界的にファッションとして浸透しているチカーノタトゥーの、歴史や発祥・スタイルの特徴について徹底解説する。

歴史・発祥

チカーノタトゥーの歴史や発祥については、チカーノのギャングが密接に結びついている。

1920-30年ごろ、メキシコから貧困層の白人・黒人がロサンゼルスに移民としてやってきたのが、所謂”チカーノ”の最初である。

その後パチューコと言われる”2世在米メキシコ人の若者”が、ユニークなファッションや言葉遣いでパチューコギャング(チカーノギャング)として団結し、更にはチカーノタトゥーの文化を作り上げたと言われている。

元来、親指と人差し指の付け根の間あたりに、十字架を手彫りでいれるのがパチューコギャングの証だとされたのが始まりだと言われているため、チカーノタトゥーの歴史を問われると1940−50年、凡そこのあたりになるだろう。

プリズンタトゥーから発展

そしてチカーノタトゥーは芸術として大きな発展を遂げる。

1960年代にアメリカ南西部の刑務所内で親しまれていた壁画やタトゥーなどの芸術が、チカーノアートにインスピレーションを受け始めたのである。
そうしてチカーノ運動などの政治的なシンボルや、十字架などの宗教的なシンボル貧困・刑務所家族への愛などを芸術に落とし込み、今のチカーノタトゥーの大枠が出来上がるまで至る。

つまりはチカーノタトゥーはパチューコギャングから生まれ、プリズンタトゥーとして大きく発展を遂げたスタイルだと言える。

余談だが刑務所内のタトゥーでは、”刑務所内にある物のみ”を用いてタトゥーが彫られるため、このようなマシンでタトゥーを彫っていたようだ。

ブラックアンドグレイとの違い

チカーノタトゥーという言葉を初めて聞いた方も、”ブラックアンドグレイ”という言葉なら耳にしたことがあるのではないだろうか。

混合しがちな”ブラックアンドグレイ”と”チカーノタトゥー”だが、ブラックアンドグレイはその名の通り、「黒とグレーの陰影で描かれたタトゥーの総称」と定義出来るだろう。

そのためブラックアンドグレイに分類はされるものの、チカーノタトゥーは”チカーノアート独特のデザインで描かれたもののみ”とした解釈が妥当だろう。

例として、ライオンは哺乳類だが、哺乳類だからといってライオンとは限らない。といったところだろうか。

チカーノタトゥーデザイン

ここではそのチカーノタトゥー独特のデザインを何点かご紹介する。
ブラックアンドグレイの中にも、要素としてチカーノタトゥーが取り入れられている事が多い。

プレイングハンド

プレイングハンドは神に対する祈り・信仰を表現するタトゥーデザインとして親しまれているデザインである。

肩に入れる者が多く、その人物の個性を表すようにロザリオや拳銃などが握られている場合もよくある。

マリア

マリアも同様に神への信仰心を表現したタトゥーである。
”まるで聖母マリアが一緒に祈りを捧げてくれているように”プレイングハンドと一緒に彫られることも多い。

スカル

スカルは「死の象徴」として、ジャンルを問わず彫られてきたデザインの一つである。

刑務所に収容されている者は、ギャングのメンバーや、刑務所をともにした仲間、愛する家族など、大切な人を亡くしてしまう者も少なくないだろう。

またチカーノにおけるスカルには目玉が入っていることが多々ある。これは他のジャンルではあまり見られることの無いデザインの特徴である。

ツーフェイス

ツーフェイスは典型的なチカーノタトゥーのデザインだと言える。
海外では「Mask Tatto (マスクタトゥー)」等と呼ばれることの方が多いだろう。

2つのマスクが反対の表情をしていることが多いのは「Lough(smile) now, cry later.(泣くのは後だ、今は笑え)」といったギャングの教えを表現しているためだ。

辛いことだらけの収容生活だっただろう。
こういった教えや信念を、タトゥーとして身体に刻み出所していったのだろうと思うと、やはりタトゥーは心の支えにもなっていたのかもしれない。

ピエロ

海外では「Clown tattoo」と呼ばれるピエロのタトゥーも、先程のツーフェイスと同意で「Lough(smile) now, cry later.」という意味合いで親しまれてきた。

しかし先程のツーフェイスに比べ、より多くの表情・感情を表現することができ、中には怒りや恐怖、殺戮的なものまで存在する。

薔薇(バラ)

薔薇のタトゥーはオールドスクールタトゥーとともに、チカーノでも古くから親しまれてきたデザインの一つである。

薔薇は「愛」を意味するデザインとして有名であるが、黒色の薔薇は「死」を象徴するものとしても知られている。
詳細については以前公開した記事に記載があるため、気になる方は是非。
関連記事:魅惑の”薔薇タトゥー”-デザインや花の意味まとめ

女性 (チカーナ)

ピエロのメイクをした女性のデザイン、これはチカーナのタトゥーと言われ、海外では「Clown girl」や「Chicana girl」「Female clown」などと呼ばれることが一般的だろう。

美しく、しかし猟奇的にも見える女性のタトゥーは見る者を惹きつける魅力を持っている。

時計

時計のデザインは、チカーノアートとして古くから存在する代表的なデザインで、広義に用いられてきた。

一般的には「生と死」を象徴するデザインだと言われているが、他にも「投獄」「永遠の愛」等、時間の絡んだ意味合いを持つものが多いようだ。

拳銃

拳銃のデザインはプレイングハンドやピエロ、またチカーナ同様に、何かのデザインが握っていることがよくある。

ギャングとしての抗総力・権力の象徴や反社会の象徴だと言えるだろう。

レタリング

レタリングタトゥーもチカーノのスタイルを代表とするデザインである。
記念の日付などの数字や、ギャングのチーム名を彫り、所属するギャングチームへの信仰を意味したりするものが多い。

現在はファッションとしても親しまれているため、様々なフォントやスタイルのレタリングタトゥーが存在する。
参考記事:文字をタトゥーで身体に刻む!レタリングタトゥーの参考デザイン・意味や歴史

煙・雲

チカーノタトゥーではこれらのデザインが、煙や雲のような”額”で纏められている事が多い。

そうして作り上げられる全身のチカーノタトゥーは、まさに圧巻の一言である。

チカーノタトゥーの入った有名人

D.O

D.OはDOTTで何度か取り上げている、現「9sari group」所属の日本人ラッパーだ。
日本のアンダーグラウンドを代表する彼のタトゥーのデザインはまさにチカーノのスタイルである。

また彼は「Mr. Cartoon」と呼ばれる、世界を代表するチカーノのアーティストにタトゥーを彫ってもらったことでも知られている。

まとめ

いかがだっただろうか。
チカーノタトゥーは全身を覆い尽くすものは勿論だが、バラやツーフェイスなどの一つでも非常にクールである。

もし今後、チカーノタトゥーをいれようと思っているなら、その歴史や意味を知った上でタトゥーのデザインを決めるのも非常に面白いかもしれない。

では良いタトゥーライフを!

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